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『私が彼を殺した』のつづき① 駿河直之の章

私が彼を殺した 東野圭吾

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(まえがき)

書いた当時、読んだ「加賀恭一郎シリーズ」は、この「私が彼を殺した」のみでした。
加賀さんの頭のキレを理解していないので、
この「……つづき」では、全然活躍しません。

加賀恭一郎ファンの人は読まない方がいいかも知れません。

そのうち、加賀さんが活躍する「……つづき」を書けたらと思います。

下記から始まる文章は、文庫版の袋とじ解説に、「会話は嘘あり、地の文に省略あり… 」とあって、様々な考えが浮かんできて整理しようと、書いたものです。

改めて、犯人になる人物ごとで「つづき」を考えてみました。こちらもどうぞ。(2010.03)
「私が彼を殺した のつづき パターン別」を読む




(はじまり)

駿河直之の章

「犯人はあなたです」
加賀は写真を差していた指を俺に向けた。
「なんだと」俺は言った。理解できない。動揺が表に出たのかはわからない。全員の視線が俺に向けられているのが見なくても分かる。
「この中には、あなたにしか入手不可能と思われる物がひとつあります」
加賀は写真を囲むように指をまわした。
「分からんね」俺は言った。
「そうですか」加賀は続けた。「もう一度わかりやすくお話しします。身元不明の指紋は穂高さんに関係の深い人のものでした。その人をあなたもご存知のはずです。この写真に写ったものと同じ物を所有していました。確認は簡単にとれました」
俺は加賀が言っていることを理解した。

「あっ」3人がいる方から声が聞こえた。雪笹だった。「ピルケースね。そして指紋は穂高さんの前の奥さんのもの。以前同じ物を使っていたのをあたしも覚えている」
「そうです」加賀は大きく頷いた。

「やっぱりあなただったのね。そうか、ピルケースを手に入れて、それ毎交換したのね。そういえば、西口さんから預かったとき、一度ポケットにいれてたわよね。あらかじめカプセルを入れたピルケースを持っていてそれと交換したんだ」
加賀も納得したように頷いている。
俺は戸惑った。雪笹が何を言っているのかわからない。冗談じゃない。

「ちょっと待ってくれ」雪笹の言葉を遮る。「どこに証拠があるんだ。俺があいつの前妻のピルケースを持っていたって」

「それは先程からいってるではありませんか」加賀の背が大きくなったように感じる「ピルケースについていた指紋ですよ。雪笹さんのご指摘の通り、指紋は穂高さんの前の奥さんのものでした。穂高さんは美和子さんと結婚が決まり、前の奥さんの荷物を処分していましたね。そして、その荷物は、あなたの所にあったのですよね。駿河さん」

俺は加賀が言っていることがよく分からなかった。いや、分かったこともある。ピルケースが加賀にとって重要な証拠だということと、今俺が犯人になりそうだということ。


「ああ、あいつの荷物は俺の部屋にあった」加賀が俺の部屋に来たときのことを思い出した。あの時、荷物があるのを見たんだな「だけど、その中にピルケースがあったなんて俺は知らないぜ、考えたこともなかった」
全員が俺と加賀のやりとりを黙って見ていた。俺はこのままでは犯人にされると焦った。

「あんなピルケースなんて一般的にあるものじゃないのかい。誰でも手に入れようと思えば、不可能じゃないだろ」神林貴弘と雪笹香織の顔を見る。「俺だけじゃないだろ」
空笑いが聞こえた。雪笹だった。
「あんた馬鹿じゃないの、加賀さんは言っているでしょ。ピルケースから前の奥さんの指紋が出たって、そんな指紋付のもの普通に売ってるわけないでしょ。観念しなさいよ。今さら何言ったって無駄よ」
神林貴弘も頷いていた。黙るしかなかった。

「話は、署の方でじっくり聞かせてください」加賀の大きな手が差し出された。「駿河さん」

俺は動けなかった。考えれば考えるほど何なのかわからない。いつか感じた不安に似ていると思った。会社の金を横領したときだ。あの時、不安を消してくれたのは穂高だった。その穂高は今はいない。今考えるとあの時の不安の方がよかった。あの時は全て自分の責任だった。

俺は神林貴弘がカプセルを交換したとついさっきまで思っていた。それが脅迫状を告白され、さらにカプセルまで使っていなかったとは、信じられなかった。
でも、奴は1錠余分に持っていたんだったな。

その2 雪笹香織の章 へ

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